
継承したい「業」がある。
エコロジーなどと叫ぶずっと前から、いつもエコだった。もったいないというのは、キャッチフレーズなんかじゃなく、あたりまえだと思う。そこにある自然素材を活かす。工夫してなんとかやってみる。「キャンペーンではなく、それが「生きる」ことだろう。優しく強く、 しなやかな竹はまるで編まれるのを待っているかのように立っている。チガヤ・スゲ・ススキを用いた萱葺の屋根は、力強くあたたかに我々を風雨から守ってくれる。あたりまえの道具を使い、あたりまえの家に住んできた歴史は石油化学建材や合成樹脂の歴史よりもはるかに永いのだ。 今そこにあるものを、今そこにいる者たちの手で、そこに活かして生きる。この契りほど濃いものは他にあるだろうか。「磐城 手業の会」は、生活を支え、地域環境とともに生きる「術と業」の継承・育成・発展のプロジェクトである。